すっかり現役として活躍し大成功を収めているブライアンから、今年の冬の贈り物として届けられたのはクリスマスアルバム。しかし、企画モノと侮るべきではない。準オリジナルアルバムとしての鑑賞に耐え得る極めて丹精に作られた良質の作品だ。定番モノのスタンダード曲もあり、ビーチボーイズとして全盛期だった1964年に製作したクリスマスアルバムに収録されていたオリジナルの名曲のリメイクあり、本作のために制作された純粋なオリジナル新曲あり(それも共作者がジミー・ウェッブ、バーニー・トーピンという豪華な顔ぶれ)、とにかく多彩な曲が収録されている。
サウンドだが、ブライアンの成功を支え続けてきたバックバンドの秀逸な演奏(特にアレンジと管楽器演奏の部分でのポール・マーテンスの貢献が著しい)、バンド一体となりブライアンのアレンジにより披露される斬新でしかし懐かしいコーラスが素晴らしい。21世紀にこれほど人の温もりあるサウンドが聴けるのは堪えられない。
そして、御大ブライアンの歌。いやもう、曲によっては涙が出てくる。クリスマスソングとは、時にスピチュアル、時にドリーミー。ブライアンの魅力を、それも様々な辛苦を経て復活した今のブライアンの魅力を映し出す鏡としてこれほどピッタリの企画はない。時に優しく懐深く、時には荘厳に響く今のブライアンの声に、感動する以外にどうしろ、というのか、それほどの出来である。