エリック・クラプトンの「クロスロード」が世に出て以来、今では猫も杓子も「ボックス・セット」を発売するある意味有り難い時代になっているのだが、残念ながらその多くが『?』と首を傾げたくなるような代物ばかりであることは否めない。ヒット曲、ライブ定番曲、アルバム未収録、初CD化、シングルB面、中古レコード屋に通う手間や出費を省いてくれる(^^;等々、勿論その選曲が重要なファクターではあるのだが、ジミー・ペイジの執念が宿っているかのようなツェッペリンの「リマスター」、ファンの期待になんとか答えようというジレンマと思いの伝わるスプリングスティーンの「トラックス」、まるで師匠フランク・ザッパがとり憑いたかのような創作意欲ゴリ押しの意地を感じるスティーブ・ヴァイ、制作者の薄ら笑いが浮かんでくる米ライノ社のいくつかのボックスセットなどなど、とどの詰まりは手軽なお金儲けであったとしても、アーティスト本人や制作側の「ヤル気」が見えるボックス・セットに出会えた時はトテモ嬉しく思えてくる。
そしてこのトム・ペティの「プレイバック」、選曲、梱包、ブックレット、価格、ヤル気、どれをとっても申し分なく、与えられたまな板の上で可能な限り全てやりましたという事が十二分に伝わってくる内容は、ボックス・セットの鑑、指針と言っても過言ではないでしょう。
個人的には一点だけ、「パック・アップ・ザ・プランテーション」のCD化でオミットされたままになっている曲とそのビデオのみでの収録だった曲をここで補完してもらいたかったのだが、それは「パック・アップ・ザ・プランテーション」の完全版、またはDVDが発売されることを信じて待つことにしましょう。
願わくば多くのアーティストがどうせ出すならこういったボックスセットを発売してくれることを祈るばかり。
おーい、ボブ・シーガーにジャクソン・ブラウン、具にもつかないベスト盤はもういらないから… こういうの出してよ… お願い…